「好き」って言ってよ!

「大きくなったら君を迎えに行くーー僕たちはその約束を交わした。

結婚したら一緒にいることができるから、必ず迎えに行くからって、僕たちは約束を交わした。

見えなくなるまで…いや、見えなくなっても何度も手を振り続けて、いつかまた会えることを信じて別れたんだ」

青葉は言った。

「次に君と会うことができたのは、翌年の春の両親の葬式だった」

そう言った青葉に、
「そう言えば、お父さんから話を聞かされて参列したことがあったわ…」
と、奈帆は呟いた。

そのことは覚えていた…と言うよりも、彼女にとって忘れられなかったのかも知れない。

「君は両親を亡くした僕を思って心配して声をかけてくれたのに、いとこを僕に紹介しようとしただけなのに、僕は君にひどいことを言ってしまった」

青葉は気持ちを落ち着かせるために深呼吸をした。