「好き」って言ってよ！

「大人たちがお茶会をしているのが退屈で、僕は広い庭の中を探検することにしたんだ。

そしたら、ひまわりが咲いている花壇で水やりをしている君がいたんだ。

花の妖精みたいだなと思ってその姿を見ていたら、君が僕を見て微笑みかけてきた」

「妖精って…」

奈帆はそう例えられたことに不服そうだったが、
「本当にそう思ったんだ」
と、青葉は言い返した。

「その瞬間、僕は君に恋をしたんだ。

所謂、“一目惚れ”って言うヤツだな」

夢でも見た当時の出来事を振り返った青葉はフフッと笑った。

「その日の夜に、僕たちは婚約者だと言うことを大人たちから知らされた。

君は僕と結婚できることに大喜びをしていたし、僕も将来の結婚相手が君でとても嬉しかったことをよく覚えてる。

今日初めて出会って恋をして結婚することになったその相手が君で本当に嬉しかったんだ」

青葉は言った。