「なので、まずは丸山さんからの信用を得るためにもデートをするのがいいかと思います。

デートが難しそうでしたら、2人で近所を散歩してみると言うのも手ではないかと」

そう言った川西に、
「そうか…」
と、青葉はそう呟いて息を吐いた。

「その様子だと、丸山さんに相当なまでに嫌われているみたいですね」

そんな彼の様子に向かって、川西は言った。

「僕が今の今まで奈帆に対してとっていた態度が原因だったとは言え、嫌われてるよ。

抱きしめても手の甲をつねられてすねを蹴られるうえに翌日は声をかけたらフォークやハサミやおたまを投げつけられるし、“好き”とか“かわいい”とか言って声をかけても“自分で言ってて恥ずかしくないのか、あんたに言われてると思うと気持ち悪くてゲロが出そう”って言われるし」

あまりの嫌われように川西は何も言うことができなかった。