「好き」って言ってよ！

「無視したり、避けたりしたのは…？」

「それは…あれだ、奈帆と話をしたり一緒にいるのが照れくさかったと言うだけで…」

顔を真っ赤にして話をしている青葉のその姿は恥ずかしがっているようだった。

「…奈帆ちゃんのことは嫌いじゃないと言うことですか？」

哲郎が聞いたら、
「先ほども言ったと思うが、奈帆のことは好きだし愛してる」
と、青葉は答えた。

彼の顔は彼女のことが好きで好きで仕方がないと言う様子だ。

「恩返しで仕方なく結婚すると言うのは…？」

「それは、どう言う意味なんだ？

そもそも結婚は恩返しでするものではないだろう、好き同士で結婚するものだろう」

「そ、そうですね…」

そう言った青葉に対して、哲郎はそう答えることしかできなかった。