「好き」って言ってよ！

「えっ、そうなの？」

まさか自分の知らないところでそんな噂が流れていたとは思わなかった。

当然のことながらつきあっている男はいないし、ヘアサロンに関しては早くても来年辺りに２号店をオープンさせたいと思っていたところだったのだが海外進出は特に考えていなかった。

「噂の出どころはわからないし、もしかしたら本当の可能性もあるんじゃないかと思って…だけども、君に真相を聞くのは怖かった」
と、青葉が続きを言った。

「そこで私の方から“彼女にヤキモチを焼かせればいいんじゃないか”と提案を出したんです。

婚約パーティーの当日に私と一緒にいるところを見たら、あなたがどう言う反応をするか確かめたんです。

もしかしたら違うかも知れないですし、もし本当だったとしても考え直してくれるんじゃないかと思って」

そう言った川西に、
「それで一緒にいた訳なのね…」
と、奈帆は言った。