「好き」って言ってよ！

「な、何よ…？」

突然自分のところにきた青葉に奈帆は戸惑った。

（本当に、改めて顔がいいな）

芸能人かと思うくらいに顔がいいうえにスタイルもいい、家柄も職業もハイスペックな彼の相手が本当に自分でいいのかと疑いたくなった。

「嬉しいんだ」

「…何が？」

そう言った青葉がよくわからなくて、奈帆は聞き返した。

「君が僕のことを“好き”と言ってくれて嬉しいんだ」

「“みたい”が抜けてる」

「それでも充分だよ」

青葉はフフッと笑うと、奈帆を抱きしめた。

「ちょっと…！」

いきなり抱きしめられたことに戸惑った奈帆だったが、彼に対する嫌悪感はもうなかった。

青葉を嫌っていた理由がわかったことと彼への気持ちを認めたから…と言うのが理由だろうか？