青葉の気持ちを聞かされた奈帆は、自分でもどうしたらいいのかわからなかった。

何を言えばよかったのかどう行動すればいいのかわからなかったから考えたかった。

(何なんだろう、この気持ちは…)

青葉のことが嫌いだった。

彼から婚約破棄をして欲しいと、常に願っていた。

それなのに、
(今は婚約破棄をして欲しくないなんて、おかしいとしか言いようがないんだけど…)

自分がそんなことを思っていることに奈帆は戸惑っていた。

(ただ単に情に流されてるだけだし、気持ちを聞かされたから絆されかけてるのよ!

そこまでして婚約破棄を逃れたいなんて、やり口が汚いにも程があるわ!)

奈帆は自分に言い聞かせて自分を奮い立たせようとした…のだが、いつも通りに戻ることができなかった。