「な、な、なわけないでしょ!」




思ったよりも動揺して取り乱してしまった。


さっきスーパーで買ったものが入っているレジ袋も焦って落としてしまうくらいに。




「桜木さん、動揺しすぎ」



そう言いながらニヤける先輩。


この顔は、また完全に面白がっている顔だ。


この顔は嫌い。
心の内を覗かれているような気がする…。




「うるさいです。…で、なんのようでここに?ていうか、なんでここがわかったんです?」


「講演会でも言ったじゃん。俺ら昔会ったことあるの」




いきなり愛ちゃんって呼ばれたりはしたけど…。

本当に昔の知り合いなのかはまだ信じきれていない。




「そ、そうですか……。それで用事は?」


「一緒に夏祭り行こうと思って」