『桜木……恵菜さん。どうぞ』
桜木と言われて一瞬“キタ!”と思ったのも束の間。
2位で恵菜ちゃんが呼ばれた。
ん?
私がまだここにいるってことは?
ん?
私が戸惑っている間に2位の恵菜ちゃんと男子生徒の誰かがステージに並び終わったみたいで。
『桜木愛莉さん、グランプリおめでとうございます。それではどうぞ』
ミスコン委員の女子生徒さんに腰をトンと押されてステージに出ると前から歩いてきたのは、私とお揃いの黒地に金色のラメが散りばめられたタキシードを着た先輩……美琴くんだった。
ステージに出た途端、私は自分がグランプリなことも、先輩と一緒にグランプリに選ばれたことにも驚いて頭が飛んで真っ白になってしまった。

