そんなわけで、歓送迎会や忘年会など夜のイベントには一度も参加したことがない。
高校の時だって、学校帰りに遊びに行ったりすることはなかった。
そういうイベントに興味はあるけれど、きっと家を出るまでは無縁なのだろうと半ばあきらめている。
無理して参加して叔父さんと叔母さんの機嫌を損ねたらそれこそ面倒くさいからだ。
もういい大人なのに、変なしがらみから抜け出せなくて自己嫌悪に陥る。
でもいいんだ、職場には敦子さんみたいに優しい人がたくさんいて、くすんだ私の心を浄化してくれるようで落ち着くから。
それに、実は社長はモデル並みに見目麗しくて、目の保養にもなるのだ。
いつも敦子さんと『生きてる世界線が違うよね』って、まるで芸能人を見ているかのように騒いでいる。
そんな社長のことを、私は心密かに慕っている。
別に恋人になりたいだとか、そんな大それたことは思っていないけれど。
一緒に働けるだけで幸せ。
だから今の環境はとても好きだ。
「あっ、社長」
背後で誰かが社長を呼んだ。
どうやら出勤されたようだ。
といっても、社長は誰よりも早く出勤をし、事務所に併設されている工場の点検や会社まわりの清掃をしていることを知っている。
それらが終わって事務所に戻られたんだろう。
高校の時だって、学校帰りに遊びに行ったりすることはなかった。
そういうイベントに興味はあるけれど、きっと家を出るまでは無縁なのだろうと半ばあきらめている。
無理して参加して叔父さんと叔母さんの機嫌を損ねたらそれこそ面倒くさいからだ。
もういい大人なのに、変なしがらみから抜け出せなくて自己嫌悪に陥る。
でもいいんだ、職場には敦子さんみたいに優しい人がたくさんいて、くすんだ私の心を浄化してくれるようで落ち着くから。
それに、実は社長はモデル並みに見目麗しくて、目の保養にもなるのだ。
いつも敦子さんと『生きてる世界線が違うよね』って、まるで芸能人を見ているかのように騒いでいる。
そんな社長のことを、私は心密かに慕っている。
別に恋人になりたいだとか、そんな大それたことは思っていないけれど。
一緒に働けるだけで幸せ。
だから今の環境はとても好きだ。
「あっ、社長」
背後で誰かが社長を呼んだ。
どうやら出勤されたようだ。
といっても、社長は誰よりも早く出勤をし、事務所に併設されている工場の点検や会社まわりの清掃をしていることを知っている。
それらが終わって事務所に戻られたんだろう。



