「おい!」



「レイ…じゃん」


反応したのは朱音。

あたしは背中を向けたまま。


「朱音…そいつが…佐倉?」



朱音は黙ってあたしを見てきた。


まさか追いかけてくるなんて…


思いもしなかった。

「朱音。先に行ってて」

「…うん」


朱音が離れていったのを確認した後、

レイの足音が聞こえてきた。


「どういうことだよ」


「…あたしは佐倉莉衣だよ」

あたしはまだレイに背中を向けてる。

レイの顔、見たくない。

見れないよ。