彼は笑い出した。
「ははは、確かに。それはあり得る話だな。君が欲しくて妥協しそうだよ。だから俺が待てるかなって言ったの」
「私がおばあさんになる前、せめて私自身の花が見頃のうちに、お願いします」
にっこり笑い、彼に言った。
すると彼も負けじと言い返した。
「そうだな。すでにつぼみが開いていい香りのする花が咲いている。長く咲いていてくれるように、俺が良い土に植え替えて、上質の肥料を与えるから安心して」
ビニールハウスの中で抱きしめられて、キスされた。
百合の香りに包まれて。
大好き、宗吾さん。
私だけのガーデナー。
fin.



