今日も書類を作り、営業の日高さんに渡すと、じっと私を見ている。
「早瀬さん。最近綺麗になったね、あ、ごめん。セクハラか?」
後輩ちゃんが両手を伸ばして私の背中に覆い被さってきた。
「やっぱり、日高さんもそう思います?私もそう思ってたんですよね。だって、着るモノ変わらないのに、なんかお肌がぴちぴちしてるし」
……相変わらず言うことがえげつない。後輩ちゃんは可愛いから許されるけど。はあ。
「ぜーったい、何かありましたよね?いい人ができたんじゃないですかー?」
私は意図せず真っ赤になってしまった。
「あー、やっぱり。社内?なわけないか、社外ですよね、きっと」
日高さんは黙って私を見つめている。
「ふーん、こっちが気を遣っていたのに、横からトンビにさらわれるとかあんまりいい気分じゃないな」
小さい声でつぶやいている。どういうこと?
後輩ちゃんはそんな日高さんを見ながら、私に囁いた。
「早瀬さんのいい人は何歳くらいですか?私、結構年上がタイプなんです。日高さんくらいじゃ、青いっていうか……」
びっくりして、後輩ちゃんの顔を二度見。え?何ですって?
「その顔は、もう少し年下ですかね。わかりました。もし、いい人のお友達に年上のよさげな人がいたら是非紹介して下さい。よろしくお願いしますね、先輩」



