花はふーっと一息つくとシャーペンを持ち、板書にとりかかった。 「おい、花、どーしたんだよ、徹夜明けか〜?」 少しニヤニヤしながら隣の席である桐谷裕斗が声をかけてきた。 「違うもん。なんか、今日はぼーっとしちゃうだけ」 花はうるさいと言わんばかりの態度で返した。 しかし、それとは裏腹に照れもあったのだ。 実は花は裕斗に恋心を抱いていた。