西洋料理店の方に行くとスペシャルメニューの列が並んでいた。

見た感じザッと20人くらいの列になっていてすぐに並んだ。

いつもスペシャルメニューの数はバラバラで50品と多い日もあれば5品と少ない日もある。

ちょっと不安だったため雛菜を私の前に並ばせて列が動くのを待っていた。

少しすると列がどんどん動き出して、前の方に並んでいた人達がスペシャルメニューを運びながら席へ移動してるのを見た。

最悪、雛菜だけでもスペシャルメニューをゲットすればいいと思っていたが、ちょうど私の分で最後だったので2人とも運良くスペシャルメニューをゲット出来た。

「こっちこっち〜!」

と先に席を取っていてくれた雛菜がぴょんぴょんと私を呼んでいるのに気づいた。

席に着くと2人でいただきますと言ってステーキを食べた。

「ん〜♡美味しい…♡」

幸せそうににステーキを食べてる雛菜は本当に可愛らしくて、見てるこっちまで幸せになる。

それは私だけじゃなくて、周りにいる男子生徒達も思っているだろう。

「そういえば美紅、今日の朝も男子生徒倒してたよね?一瞬でドサッって!」

「あ〜、そういえばそうだったね〜」

いつもの事だから普通に忘れてた。

「もう美紅ったら、そろそろ本当に彼氏作らないとまずいんじゃないの?毎日男子生徒に襲われかけて大変じゃない?」

うっ…。雛菜まで心配してる…。

確かに毎日毎日、知らない男子生徒に襲われかけるのは面倒だけど…。

「美紅は強いけど女の子には変わりないんだから!気になる人とかいないの?」

「残念ながらいません…」

「も〜、美紅は本当に恋愛に興味無さすぎるというか…。しかもベストカップル賞にも興味無いなんて尚更よ…。恋愛興味無い人でもベストカップル賞の景品には目がいくって言うのに…。」

「私の家はお金はちゃんとあるし、ベンツの送迎もいつものことだから…。」

「も〜、欲がないな〜。まぁ雛菜はそんな美紅が好きなんだけどね〜」

雛菜はモグモグとウサギみたいにステーキを食べている。

確かに昔から必要最低限のものがあれば満足だったから欲がないのは確かだな〜。

ナイフでステーキを切りながらそんなことを思っていると校内の連絡のチャイムが鳴り出した。

なんの連絡かなとか思いながらステーキを食べていると…

『二階堂美紅さん、食事後、理事長室にお越しください。くり返ります───』

「…!?…ケホッケホッ…」

「美紅!?大丈夫!?」

「大丈夫…噎せただけ…。」

まさか自分の名前が校内の放送で呼ばれるなんて思わないよね…。

「ふぅ…」

「落ち着いた?」

「大丈夫、ありがとう」

「ていうか理事長室に呼び出しってなんだろうね〜。美紅が理事長室に呼ばれるのは何か悪いことしたとかじゃないのは分かるんだけど…、それでも呼び出しって怖いよね。」

「まぁ、びっくりはするよね(汗)」

急いでステーキを食べて私は雛菜に先に教室に行くように言って理事長室に向かった。