授業が終わり昼休みに入ると生徒達はみんな学食へと向かって行く。

任侠学院の学食はメニューが充実しており、高級フレンチ、イタリアン、スイーツ、和食に寿司、好きなメニューを選ぶことができる。

もちろんその中には数量限定のスペシャルメニューがあったり…。

｢今日のスペシャルメニュー黒毛和牛のシャトーブリアンステーキだってよ！｣

｢マジで！俺食べたい！｣

そんな声が周りから聞こえてくる。

｢美紅は今日何食べる？｣

そう聞いてきたのはクラスメイトで親友の雅楽代 雛菜 (うたしろ ひな) 。

茶髪のフワッとしたツインテールに小動物のような大きな瞳に身長が152cmと小柄で可愛らしい女の子。

白い和服の制服が似合っていて、黒のハイウエストスカートのスーツに黒のネクタイの制服を着ている私とは大違い。

そんな可愛い彼女は実は関西で縄を張ってる雅楽代組当主の娘。

普段はふわふわしているのだが実力は本物。

｢雛菜は食べたいものある？｣

｢雛菜は今日ステーキの気分…｣

たぶん今日のスペシャルメニューのステーキが食べたいのだろう。

さっきから本日のスペシャルメニューの掲示板ばっかり見てるし(笑)

｢じゃあステーキにしよ？｣

｢いいの？｣

｢うん！私、今日何食べようか迷ってたから｣

パァっと顔が明るくなった雛菜は私に抱きついてありがと〜と嬉しそうに言ってきた。

私も抱きしめ返したくなるくらい雛菜が可愛すぎる。

ハッとした雛菜は急いで並ばないと！と言いながらも、ルンルンとスキップして西洋料理店の方に行くのを見て思わずクスッと笑ってしまった。