「さ、できましたよ!」

 わあ~こんなに綺麗にしていただいていいんでしょうか!
 私は自分の格好が信じられなくてくるくるとその場を回って鏡や自分を何度も見てしまいます。

「さ、旦那様たちのところにまいりましょうか」
「(ふんふん)」


 部屋を出てラウンジのほうへ向かうとそこにはお兄さまがいらっしゃいました。
 お兄さまは私のほうを見ると、大変驚いた様子でかたまってしまいました。

 あれ……何か変だったでしょうか。やはり、私には似合わないでしょうか。

 そんな風に思っていると、お兄さまは私に近づいてきてさっと手を差し伸べてくださいました。

「本当に可愛くて綺麗だよ、ローゼ。私がエスコートするから一緒に来てくれるかい?」
「(はいっ!)」

 私はその手をとっていつもよりさらに高いかかとの靴を鳴らして会場へと向かいました。