「ローゼマリー様の髪は真っすぐで綺麗ですね」

 私は少し照れてうつむいたあと、少し首をふります。
 特に珍しくもない薄い茶色い髪の私からすれば、クリスタさんのほうが綺麗で羨ましいなと思ってしまいます。
 それをなんとか伝えたくて、クリスタさんの髪をそっと指さしてみました。

「え? 私の髪がどうかしましたか?」

 私は好意的な意味を伝えたくて失礼にあたらないように、そっとクリスタさんの腕をぎゅっと抱え込むように抱きしめてみました。

「どうかなさいましたか?!」

 クリスタさんの髪を指さして、腕を抱きしめてみてもあまりよく伝わりません。
 でも何か思いは伝わったようで、クリスタさんは私を抱きしめ返してくれてこう言いました。

「大丈夫ですよ、私はどこにもいきませんよ。そうだ、今日は私とお揃いの髪型にしてみましょうか?」
「(はい!)」

 私は自分が持てる最大限の笑みを浮かべました。