約束された結婚ーー鬼の花嫁は初恋相手と運命の相手に求婚される

「四鬼千秋はお前目当てで転校してくるんじゃないか?」

「まさか! そんなことあるはず……」

【ピンポーン】ここでインターホンが鳴る。

「おい、誰か来たぞ」

「お母さん、通販で買物したのかな? 聞いてないけど一応見てみるね」

 話の途中だがモニターフォンを確認してみよう。
 四鬼さんがわたし目当てで転校? ない、ない、四鬼さんに何のメリットがあるの? 
 真剣に言う涼くんの手前、笑えなかったがおかしくてニヤけてしまう。

「セールスとかなら俺が断るから代われ」

「ありがとう」

 だがスイッチを押し、はっとした。
 画面に映り込む人物を知っていたからだ。しかも花束を抱えており、コンタクトを取ろうとしているのが分かるとにっこり微笑む。

「こんにちは、四鬼千秋と申します。連絡せず来てしまい、すいません。桜子さんのお見舞いをしたいのですが」

「四鬼さん!?」

「あぁ、桜子ちゃん? 起きていて大丈夫なのかな? であれば少しでいいから顔を見せてくれる? お見舞いに来たんだ」

 わたしが行動するより先、涼くんが腰を上げた。