約束された結婚ーー鬼の花嫁は初恋相手と運命の相手に求婚される



 3日ぶりの部屋は空気が淀んでいる気がした。壁に制服がかけられ、机には鞄が置かれている。入院したおかげで体調面は今の所悪くないが学校の事を思うと憂鬱だ。

 あの日学校で何があったのか両親から聞かされた。
 わたしは高橋さんと話している最中、倒れたらしい。そして四鬼病院へ運ばれたという。その高橋さんが通り魔に遭ったのを話さず説明を終えたので、わたしが事件を知らないと考えているのだろう。

(高橋さんは大丈夫なのかな。命に別条はないってニュースでは伝えられてたけれど)

 襲われた恐怖はわたしにも分かる。怖かったに違いない。
 それにーー。

 わたしはカーテンを開け、涼くんの部屋を伺う。
 涼くんは責任を感じていないだろうか。レモンを買いに行った帰り、高橋さんは通り魔に遭ってしまったのだから。
 窓も開け、夜空を仰ぐ。厚い雲が広がって月や星は見えない。

「まだ起きてるのかよ」

 と、呆れた声とともに正面の窓が開いた。