涼くんにとってわたしは世話の焼ける幼馴染み。高校生になっても後追いされて、うんざりなのだろう。

 分かってる、いつまでも涼くんに頼ってばかりじゃいけない。これ以上、嫌われたくない。

「……学校へは一人で行く」

「あぁ、そうしろ。あ、そうだーー」

 言葉を足そうとするのに気付いたけれど、聞こえない振りして部屋に戻ることにする。
 邪険にされ続けたら泣くのが我慢できそうなく、まして血を貰ってきながら文句なんて言い返せない。

 部屋に着くと同時、涼くんが持っていたノートを投げ込む。

「それ、お前が休んでいる間のノート。先生が見せてやれって」

 振り向いた時、涼くんはもうカーテンを引いた後だった。