約束された結婚ーー鬼の花嫁は初恋相手と運命の相手に求婚される

「尚更、沖縄にいくべきだと思うけどなぁ。学生時代は1度きりだよ? 体調が心配なら柊を連れていけばいい」

 四鬼さんに考えを改めるつもりはないらしい。

「まぁ、千秋様の仰る事も一理ありますね。鬼であるが故、同年代が楽しむ事柄を諦めなければいけないのは切ない。浅見さん、雰囲気だけでも宿泊訓練を味わってみては如何です?」

「先生まで……でも」

 沖縄へ行きたいか、行きたくないかで答えれば、もちろん行ってみたい。

「ご両親への説明は私がします。沖縄へは旅行でなく教育の一環。引率者とし、千秋様が浅見さんにちょっかい出さないよう見張りますのでご安心下さい。きちんと部屋も別に用意しましょうね」

「ち、余計な真似を」

 わざとらしく悔しがる四鬼さん。
 この3人で行く沖縄は何かしらのトラブルはありそうなものの、楽しめそうでもある。

「……行ってみようかな。あの、わたしも行っていいですか? お邪魔じゃなければ」

「邪魔もなにも、僕と柊で沖縄なんて凍える。あぁ、そうと決まれば水着を買わないとね!」

「えぇ! 水着ですか? 泳ぐにはまだ早いとーー」

「備えあれば憂いなし。海はそうかもしれないけど、室内プールがあるし。沖縄に水着は必須だ」

 力説され、説得力というより風圧で頷いてしまった。

「ふふ、あぁ、桜子ちゃんの水着姿可愛いだろうな。やっぱり清楚なワンピース? もしくは小悪魔なビキニもいい」

「千秋様、頭が悪い本音がだだ漏れです。遊びに行くんじゃない、教育の一環であるのをお忘れなく」

 ははは、わたしは乾いた笑いを浮かべる。