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「桜子、寝不足? 目がだいぶ腫れてるけど?」
翌朝、朝食の席についたわたしをお母さんが心配する。一晩中泣いて腫らした目はどうにも誤魔化せず、まぁね、と返すしかない。
「学校休む?」
それは魅力的な提案だが、ズル休みしたら涼くんから逃げている事となる。
「ううん、行く」
「そう? 具合が悪くなればすぐ早退しなさいよ。それとーー」
お母さんがますます伺う口調になり、続けた。
「涼くんが今日から一緒には行けないって。部活動の再開が決まって、朝は練習時間に当てたいそうなの」
「いいんじゃない? 再開するって事は通り魔捕まったのかな?」
マグカップを慎重に口元へ運び、テレビを付けてみる。
世間を恐怖と混乱の渦へ陥れた通り魔が連行される映像が流れ、わたしは見知らぬ男性をじっと見詰めた。
「警察から連絡があって、この容疑者がうちへ侵入したと仄めかしてるそうなの」
「じゃあ、わたし1人で通学しても大丈夫だよ」
「それはそうだけど。今朝の涼くんも様子がおかしかったし、喧嘩でもしたの?」
「してない」
追求されたくないので会話を打ち切る。ほぼ朝食に手を付けず鞄を持ったところでインターフォンが鳴った。
するとお母さんは肩を竦める。
「はぁ、実は涼くんの代わりに四鬼さんがあなたの送迎をして下さるって連絡があったわ」
「四鬼さんが?」
「一体どういうつもりなのかしらねぇ」
「桜子、寝不足? 目がだいぶ腫れてるけど?」
翌朝、朝食の席についたわたしをお母さんが心配する。一晩中泣いて腫らした目はどうにも誤魔化せず、まぁね、と返すしかない。
「学校休む?」
それは魅力的な提案だが、ズル休みしたら涼くんから逃げている事となる。
「ううん、行く」
「そう? 具合が悪くなればすぐ早退しなさいよ。それとーー」
お母さんがますます伺う口調になり、続けた。
「涼くんが今日から一緒には行けないって。部活動の再開が決まって、朝は練習時間に当てたいそうなの」
「いいんじゃない? 再開するって事は通り魔捕まったのかな?」
マグカップを慎重に口元へ運び、テレビを付けてみる。
世間を恐怖と混乱の渦へ陥れた通り魔が連行される映像が流れ、わたしは見知らぬ男性をじっと見詰めた。
「警察から連絡があって、この容疑者がうちへ侵入したと仄めかしてるそうなの」
「じゃあ、わたし1人で通学しても大丈夫だよ」
「それはそうだけど。今朝の涼くんも様子がおかしかったし、喧嘩でもしたの?」
「してない」
追求されたくないので会話を打ち切る。ほぼ朝食に手を付けず鞄を持ったところでインターフォンが鳴った。
するとお母さんは肩を竦める。
「はぁ、実は涼くんの代わりに四鬼さんがあなたの送迎をして下さるって連絡があったわ」
「四鬼さんが?」
「一体どういうつもりなのかしらねぇ」

