約束された結婚ーー鬼の花嫁は初恋相手と運命の相手に求婚される

 わたしの訴えに涼くんは髪をくしゃりと掻き、聞こえる大きさの溜息を吐く。

「嫌いなんて言った事は1回もないだろ。高橋と合うなんて言われても、だから何? としか。四鬼千秋にちやほやされて勘違いしてるんじゃないか?」

「どうしてそんな意地悪ばかり言うのよ! そういう言い方が嫌われてるって気持ちにさせるんだってば!」

「四鬼千秋ならこんな言い方はしない? いちいち比べるなよ。それとも俺じゃなく、あいつに血を貰えばいいと思っている?」

 血が飲めれば誰でもいいんだな、涼くんの目付きは蔑む。

「ち、違ーーっ」

 涼くん以外の血を飲みたいと思っていないのを主張すればするだけ、わたしと涼くんを結び付けるのが【血】となり、どれだけ家族みたいに大事に想っていようと空振りに終わる。

「お前が高橋を押し付けるのって、四鬼千秋と付き合いたいのか?」

「押し付けてなんかない。涼くんと仲良くしたいから協力してって言われたんだよ」

 あんなアプローチされて高橋さんの好意に気付かないはずもないが、一応濁しておく。

「俺は仮に四鬼千秋に協力してとか頼まれても、絶対力は貸さないけどな。とにかくあいつ等に関わるのはやめとけ。いいな? 約束破ったら血はやらねぇ」