「あれって?」
驚くことに男性がわたしの携帯電話を所持しており、もうひとつの電話から応答を求められる。
「ーーもしもし? 千秋様どうかしましたか? もしもし?」
真っ先に男性と取っ組み合いをしているという緊急事態を伝えなければならないのに、わたしは他を口にしてしまう。
「なんで、わたしの携帯を持っているの?」
「? ひょっとして浅見さんですか?」
「お祖母ちゃんの姿をした【鬼】に奪われたはずなのに。どうして?」
「鬼? 浅見さん! 何が起きてるんですか? 今どちらに? 千秋様は?」
男性が隙きをつき形勢が逆転。頭を強く打つ四鬼さんのガードは緩み、首へ手を回されてしまった。
男性は真っ赤な目を細め、躊躇なく締め上げる。
「さ、桜子ちゃん逃げて! 早く!」
四鬼さんは苦悶の表情で訴えてきた。男性をなんとか剥がそうとするも怪我しないよう加減する為か、上手くいかない様子。
「やめて、やめて!」
本気で襲う男性との対比がわたしの中の私を動かす。四鬼さんをこのままにしておけない、四鬼さんを助けなきゃいけない。
「こっちに来ては駄目だ! いいから逃げて! 僕は大丈夫だから」
制止をきかず、足を進めた。その方を私から奪わないで、傷付けないでと歩幅が大きくなる。
驚くことに男性がわたしの携帯電話を所持しており、もうひとつの電話から応答を求められる。
「ーーもしもし? 千秋様どうかしましたか? もしもし?」
真っ先に男性と取っ組み合いをしているという緊急事態を伝えなければならないのに、わたしは他を口にしてしまう。
「なんで、わたしの携帯を持っているの?」
「? ひょっとして浅見さんですか?」
「お祖母ちゃんの姿をした【鬼】に奪われたはずなのに。どうして?」
「鬼? 浅見さん! 何が起きてるんですか? 今どちらに? 千秋様は?」
男性が隙きをつき形勢が逆転。頭を強く打つ四鬼さんのガードは緩み、首へ手を回されてしまった。
男性は真っ赤な目を細め、躊躇なく締め上げる。
「さ、桜子ちゃん逃げて! 早く!」
四鬼さんは苦悶の表情で訴えてきた。男性をなんとか剥がそうとするも怪我しないよう加減する為か、上手くいかない様子。
「やめて、やめて!」
本気で襲う男性との対比がわたしの中の私を動かす。四鬼さんをこのままにしておけない、四鬼さんを助けなきゃいけない。
「こっちに来ては駄目だ! いいから逃げて! 僕は大丈夫だから」
制止をきかず、足を進めた。その方を私から奪わないで、傷付けないでと歩幅が大きくなる。

