「血を吸うとか飲むとかマンガじゃないんですよ? 一体何なんです? 本当に冗談は止めて下さい」

 その冗談みたいな自体が自分の身に起きている訳で。言いながら切なくなる。にしても秘密は何故バレてしまったんだろうか。

「手、離して下さい。痛いです」

 わたしが本気で抗えば四鬼さんは開放してくれる。

「僕も同じだって言ったよね? 僕はこの体質と付き合える環境にあったんだ。ねぇ、四鬼病院で投薬されて楽にならなかった?」

「! まさか、あの検査って……」

「桜子ちゃんが同士であるかの検査を兼ねていたよ。君の同意は得ていないけれど、ご両親が承諾してくれた」

「両親に話したんですか?」

「娘さんが幼馴染みである夏目君の血を飲んでますーーなんて大病院が言えないでしょ? 精密検査の同意を貰っただけだよ」

 お父さんとお母さんの顔が浮かび、泣きたくなる。だって検査結果が出たらわたしが異端であると数値で裏付けられるのだ。

 血を飲まないと生活出来ない旨を公表されれば2人や涼くんまで巻き込み、迷惑をかけてしまう。