約束された結婚ーー鬼の花嫁は初恋相手と運命の相手に求婚される



 教室に戻ると高橋さんに話し掛けられる。

「大丈夫? あの日いきなり倒れちゃったからびっくりしちゃった!」

 ハキハキ喋る高橋さんが健在で安心した。次の授業は自習となったらしく、みんな席につかずお喋に夢中だ。

「先生を呼んでくれたりしたんだよね? ありがとう。それより高橋さんこそ大丈夫?」

 聞き返すと、高橋さんは神妙な顔付きに変わった。

「実は事件を全く覚えてなくて。犯人はまだ捕まっていないし怖いよ」

「……だよね、早く解決するといいな」

 頷く。すると高橋さんが前の席に座る。

「解決って言えばさ、浅見さんの家に入った犯人は捕まったの?」

 尋ねられ、思わず涼くんを探してしまう。涼くんは机に突っ伏して眠っているようだ。

「夏目君ね、メールであたしの体調を何度も気遣ってくれたの。浅見さんが強盗と鉢合わせになった事も教えてくれた。お互い、ひどい目にあったよねぇ?」

 声のボリュームをより大きくし、満面の笑みを添えられた。確かにひどい目にあった同士だが、高橋さんは何処か嬉しそうでもある。