約束された結婚ーー鬼の花嫁は初恋相手と運命の相手に求婚される

 四鬼さんは顎に手をおいて、真剣に考える。

「放課後、学校の近くにあるブティックで待ち合わせがしたい。待ち合わせもデートの醍醐味だよね?」

「ブティック? あの高そうな?」

「あの店なら学生は寄り付かないでしょ? 教室に迎えに行ってもいいけど騒ぎになって時間をロスするのは嫌なんだ」

 四鬼さんは決めたとなると頭の回転が早い。緻密なデートプランを脳内で組み立てている。

「ブティックに寄るなら桜子ちゃんに贈り物をしたいよね、でも男が服をプレゼントするのはそういう意味になるし今回は辞めておく。それじゃあ、放課後に。楽しみにしているよ」

 はかったかのように四鬼さんが踵を返すとチャイムが鳴って、各教室から生徒が出てきた。
 さっそく女子高生が四鬼さんを見付け駆け寄り、あっという間に囲まれてしまう。
 輪の中心の四鬼さんは笑っている。きゃあきゃあ言われ満更でもない風に見えるが、わたしに早く場を離れろと合図をくれた。もしかしなくとも、この為に行動したんだろう。

 その指先にはめられていた指輪がキラリと輝いていた。