こんな私でもキュンしたい

「話? それってどんな……」

「うーん、今は内緒。それに、ここで話すようなことでもないし」

 ここで話せる話じゃないってどんなことなんだろう。さらに気になってきた。

「返事は?」

「…………」

 迂闊に「はい」なんて言ってしまったら、本当に放課後に図書室に行かなければいけなくなる。
 
 私、田島くんに何か呼び出されるようなことをしてしまったのかな?
 まったく身に覚えがない。

「返事は、『はい』しか受け付けませーん」

「えっ」

「だって今、頭の中で色んな事考えたでしょ? 俺に何かしてしまったのか……とか」

「そんなことは……っ」

「そんなことは『ない』? 顔に全部書いてあるけどね」

 なんて言って、楽しそうに笑う田島くん。
 めちゃくちゃ読まれてる……私の心。でも、なんでだろう……全然嫌な気はしない。