こんな私でもキュンしたい

「あの……今のって……」

「うん、どんな反応するのかなって思ってやってみた」

 さぞかし、予想通りでつまらなかっただろう。
 さっきも「予想通りの反応」とか言ってたし。私にこんないたずらして、楽しいのかな?

 私自身は、田島くんに触れられただけで、今も心臓がドキドキしてる。背中を制服越しに……しかもいたずらで触れられただけなのに。

 この温度差、どうにかしてほしい。それに、今の誰かに見られてなかったかな、って変に心配してしまう。
 だって、両極端にいるような私と田島くんが、こんな近距離でよく分からないやり取りをしてるのだから。彼のことを好きな子なんて、このクラスにもたくさんいるし、私なんかが彼と接触してることをいいように思う人なんてきっといない。
 いたずらをしてきたのは、彼のほうからだったけど。

「佐倉さん、今日の放課後……話があるから、図書室に来てくれない?」