こんな私でもキュンしたい

 恥ずかしくて俯いてしまった。
 私なんかが、人気の田島くんに想いを寄せるなんておこがましい。自分でもそう思う。
 だから、返事なんていらない……。

 そう思い、踵を返して図書室から出ようとしたら、私の前に田島くんが立ちはだかって、出入り口をふさがれてしまった。

「待って! まだ話は終わってないよ。……チョコを入れてくれたってことは、そういうことなんでしょ? 佐倉さんの気持ち、まだちゃんと聞けてない」

「それは……っ……その……」

「うん、ゆっくりでいいから聞かせてほしい。俺もちゃんと返事したいから」

 だから、返事なんていらないのに……。聞かなくても、答えなんて分かってるから。

 フラれるって分かってて、改めて告るの?

 田島くんって少し意地悪なのかもしれない。
 背中に指を這わせていたずらしてきて、私の反応を楽しんでたくらいだし。