こんな私でもキュンしたい

 図書室に着くと、既に田島くんがいた。他には誰もいない。

「やっと来たね、待ってた」

「遅くなってごめん……」

 そう返すのが精いっぱいだった。
 正直、田島くんの言葉より、胸のドキドキの音が耳に届いて……ここに立ってることすらままならない。
 足元がフワフワしている感じ。
 
 周りには誰もいないこともあって、空気もピンと張り詰めている。

 次に口を開いたのは田島くんだった。

「なんかめちゃくちゃ緊張してる? 俺、別に佐倉さんに何か怒ろうとかそんなこと考えてないから、安心してよ」

 その言葉に、私の緊張感は一気にとけていく。すると、田島くんの言葉もさっきより鮮明に聞こえるようになった。

「あの……話って……?」

「うん。だらだらと話しても、佐倉さんを緊張させそうだから、もう単刀直入に聞くね。一ヶ月前のあの日、俺の鞄にチョコ入れたのって君でしょ?」