こんな私でもキュンしたい

 そして放課後になり、ドキドキの時間がやってきた。
 今日はもう、朝に田島くんに話しかけられてからというもの、そのことで頭がいっぱいだった。真梨香ちゃんに相談しようかと思ったけど、どう相談すればいいのかも分からず、ひとりで悶々と考えていた。

「志保、私たちと一緒に帰らない?」

 そんな中、帰り支度をしてた真梨香ちゃんが話しかけてきた。隣には、小坂敦くんもいる。

「私たち?」

「うん! 私と敦。……あぁ、敦が一緒だと難しいなら、私とふたりでも全然いいよ! たまには、一緒に帰ろう?」

「俺だと難しいってなんだよ、真梨香」

「敦のテンションについてくのは、大変でしょーが。志保とは、落ち着いて恋バナでもして帰りたいの」

「じゃあ、俺がここにいる意味ねぇじゃんか。ひでぇなぁ……そう思わない? 志保ちゃん」

「えっと……私は――」