「相変わらずすごいな」
「ちょっとしたモーターショーだね」
「ていうより“社会の縮図”だよ。ここが学園だということを忘れそうになる」と言ういとこの(ぎん)兄ちゃんに、忍が「でた!長老発言!」と言い返した。

「俺を仙人扱いするなよ、忍。俺はおまえと2つしか年違わないんだぞ」
「わりぃ」
「でも銀兄ちゃんが言ってること、なんとなくだけど分かる」
「社会の縮図?」
「うん。私たち、まだ高校生なのに、もう将来を見据えたコネっていうか、ネットワークづくりに励んでるところがあるし。私はしてないけど」
「そーそー。俺ら子どものつき合いかたが、親同士のつながりを決めてる、みたいな」
「逆も然り」
「そーそー!やっぱ銀兄ちゃんって頭良いな」
「なんだ?忍、勉強教えてほしいのか?」
「もち!今度の中間テスト前はよろしく!」
「銀兄ちゃんは卒業前に車の免許取るの」
「もちろん。車あったほうが大学にも通いやすいしね」
「あっ、じゃあさ、来年からは銀兄ちゃんが俺ら送ってよ」
「時間が合ったらな」と銀兄ちゃんが言ったところで「ハイ到着ですっ!」と新叔父さんが言った。

「では若人諸君、今日も元気にハツラツと過ごすのだよ!」
「はーい」「ありがとう新叔父さん」「行ってきまーす」