「それはイヤ」と言いかけた私は、そう言う代わりに「じゃあ界人は、私を見舞うために昨日からうちに来てくれていて、そのとき白桃を持ってきてくれたの?」と、父さんに聞いた。

「よく分かったな」
「缶詰?それとも本物?」
「なんだ?その質問・・まさか“白桃”も夢に出てきたのか?」と聞いた父さんに、私は頷いて応えた。

「ねえ父さん、どうなの?ニヤニヤしてないでさっきの質問に答えてよ」
「そんなに気になるならおまえが直接確かめればいい」
「何それ」
「どこまでが“正夢”なのかを決めるのは、おまえ自身だってことだ」