「なんだ」
「人が薄く視えるのは、存在感だけでなく存在“意義”も関わっているということです。雅希ちゃん以外の薄く視えた人たちには確認が取れないので“絶対”とは言いきれませんが、私は確実だと思っています」
「てことは、雅希以外の人たちも、おそらく“自分自身の存在意義が低い”と思ったり、“自分が存在している意味がない”と考えたり、“自分の存在価値がない”と感じていた。その“低い”、“ない”という思考や“絶望的”な感情が、そのまま“薄さ”としてこいつには視えたってことか」
「そうです。そして人が薄く視えるときがある現象や、雅希ちゃん自身の未来のビジョンが視えることは、言ってみれば霊力の進化形。または受信機体質が覚醒した形と言っても良いでしょう」
「・・・え」

霊力の進化?覚醒?
またしてもビックリした私は、抱きついていた父さんから離れて目を開け、思わず頼人叔父さんのほうを見た。