「それからおまえは素直に“なれない”んじゃなくて、素直になることに“慣れてない”だけじゃねえの?でもおまえは十分素直だと俺は思うけどなぁ。たぶんツンデレの“ツン”が邪魔してんのかもなっ」
「なにそれ。やっぱり界人も私がツンデレだって・・」

・・・ウソ。なんで・・・。

「・・・雅希?」
「・・あ、ごめん。近江先生がいたから」
「あぁ、2年特進担任の」
「それで思い出した。まリア充に聞きに行かなきゃ」
「そのために俺たちは、みんなより早く教室戻ってるとこだったんだよなー」

・・・この周辺には今、私たちのほかに何人かいる。
距離はかなり離れているけど、それでもやっぱり「近江先生だけが薄く視える」。
これで薄く視えた人は三人目。
そして間接的でも(近江先生に教えてもらってる科目はない)知ってる人が薄く視えたのは、今回が初めてだ。
この意味は一体何なんだろう。少なくとも良い気はしない。
だからとりあえず今は・・近江先生だけが薄く視えることに、何より界人が薄く視えないことに、私はホッとした。