「そういうことに使っちゃダメ」
「“そういうこと”ってなんだよ」
「とぼけないの」
「俺何にもしてねえけど?」
「あっ、きよみ女史来た!」
「忍が言ったとおりだったな。ホントに“すぐ”来た」「だろ?」
「やはり本日は、私が一番最後でしたね」
「きよみ女史が遅くなるって珍しい・・てか初めてじゃね?どしたの。一体何事?」と聞いてる忍の様子から察したところ、どうやらホントに忍は「他人を探知すること」に霊力を使ってないようだ。

たとえば行方不明になった人の捜索時等、よほどの緊急非常事態でもない限り、霊力をそういうことに“普段使い”をしてはいけない。
それは霊力を悪用していることになるし、探知されてる人のプライバシーを侵害していることになるからだ。
その点は忍ももちろん知ってるよね。

安心した私は、心持ちニコッと微笑みながら「告白されてたんでしょ」と、“確信を持って”言った。