「それは確かにヘンだね」
「ごめん。私はまリア充ほど綿貫さんとは仲良くしてないし、会ってもいないから力になれない。けど2年特進の人と昼休みに会うから、綿貫さんのこと聞いてみる」
「ありがとう、雅希」

体育の後が昼休みだったので、私はすぐきよみ女史に綿貫さんのことを聞いてみた。

「綿貫雄馬氏は本日欠席です」
「そう」
「おそらく初めてのことではないかと」
「なにが」
「綿貫雄馬氏が欠席したことです」
「ふーん。理由聞いてる?」
「いえ、何も」

そのとききよみ女史は、そう答えた。
けれど翌週――正確にはそれから3日後――、きよみ女史はこう言った。

「綿貫雄馬氏は学園を退学したそうです」と。