「なんか2組のほうは、もう諦めてる感じするね」
「決して弱いわけじゃないんだけど、それ以上にうちのクラスの男子のほうがレベル高いってことか」
「相手が諦めてても、特進男子はみんなフルパワー全開でやってるし」
「しかも楽しそうにプレーしてる」
「うわ、容赦ない」と割り込み言った普通クラス女子の誰かに、「たとえ相手が諦めモードに入っていても、自分たちは手ぇ抜かずにプレーするってことと違いますか」とめぐりちゃんが返してくれた。

私もめぐりちゃんの意見に賛成だ。
「勝ち目がないから」と諦めてる相手に対して、なお点を取り続けようとする姿勢は、さっきの普通クラスの女子のコメントのように「容赦ない」とか「相手をくじく行為」に映るかもしれないし、実際そう捉えている人だっている。
その一方で、めぐりちゃんが言ったように、「相手が諦めていても、自分は手を抜かないでプレーする」と捉える人だっている。
つまり同じ一つの出来事に対して、見かたや捉えかたは人それぞれということだ。
そして私は、めぐりちゃんと同じような捉えかた(見解)をしている。それだけのこと。
だって「相手が諦めてるから自分も全力でプレーする気が失せた」より、「相手が諦めていても、自分は全力でプレーし続けること」のほうが、どんな状況下にいても自分のやる気を保ち続けるという意味では案外難しいことだと思うから。
それに、途中でやる気が失せたプレーをしたけど「それでも勝った」より、全力でプレーし続けて「圧勝した」のほうが、「楽勝の勝利感の喜び度合い」が違うような気がする。
おそらく特進クラス女子は、めぐりちゃんのような考えかた(捉えかた)をしてる人が多いと思う。
さっきナノカが言った「うちのクラスの男子のほうがレベル高い」の「レベル(の高さ)」は、そういう意味だと私は解釈している。