そしたら界人が私の手をつないでくれた。
界人の手は(手だけじゃないけど)私より大きくて温かい。
つながれているのは手だけなのに、界人の優しさで全身包み込まれてるみたいに心地良い。

「大丈夫か」
「うん。界人の読みどおり、人が少ないから気分悪くないよ。それに界人が手つないでくれてると落ち着くし」
「そっか。良かった」

こうして歩いてる私たちは、はたから見たら「つき合ってる恋人同士(カップル)」に見えるかな。
なんて思ってるうちに、目的地の服屋さん(服売り場)に着いた。

どこで服を買うか検討した結果、「TAKU(タク)」にした。
TAKUのシャツ類は形や色の種類が豊富だし、サイズ展開も豊富だから、私みたいな「痩せてるくせに胸はデカい女」の体型でも服を「選んで」買うことができる。
・・というのは、うちの女性陣の中で一番オシャレな未久おばちゃんと、現役モデルの誠叔父さん(父さんの弟。誠叔父さんは6人兄弟の末っ子だ)情報およびアドバイスだから「確実」と言える。
未久おばちゃんは声優が本職だけど、未久おばちゃんのお母さん(栄二叔父さんと結婚する前に亡くなってる)が昔モデルをしていたそうだ。
未久おばちゃんがファッションセンス良いのは「血筋」なのかもしれない。
未久おばさんの息子の一人である一兄ちゃんも、モデルのバイトしてるし(でも一兄ちゃんは声優を目指していて、声優養成所に通う資金稼ぎのために、モデルのバイトをしている。栄二叔父さんも声優だし。これもやっぱり血筋なのかな)。
だから一兄ちゃんのファッションセンスも悪くはないと思う。
少なくとも私が服を借りれる対象になるくらいのセンスはある。なんて、ファッションセンスのない私が言うのもなんだけど。

それにしても広い。全店舗、こんな感じなのかな。
でもTAKUは衣類だけじゃなくて、雑貨や小物、食品や飲料とかも売ってるマルチなお店だから・・。

初めてこの店舗の「TAKU」を訪れた私は、思わず顔を左右に動かして、広い売り場を見渡そうとしていた。