「おまえが警察の道を選ぶってのは、やっぱ過去生の影響だろうな」
「今度は刑事として拳銃を持つってこと?」
「まあそういうことだ。武器の使いかたに限らず人とどういう形で“戦い”“争う”か。ま、今世のおまえは最善の方法を選んでんじゃねえの?」
「ありがとうございます、お義父(とう)さん」
「俺をそう呼ぶのは10年早過ぎんだよ」
「すいません!つい。でも俺、もう15なんで、あと10年も待てないです」
「あぁ?じゃああと3年待てや」

やっぱり界人は天然だ。
思わず私がクスっと笑ったとき、「ところで雅希」と父さんが言った。

「なに、父さん」
「おまえは今度、こいつと二人だけで服を買いに行くんだって?」
「そのつもり」
「そうか。で、なぜ父さんは、こいつからその“事実”を聞いて知ったんだろうな」
「まだ私が父さんに言ってなかったからでしょ」
「だよな。で?行くのか」
「うん。行きと帰り、父さんが私たちを送ってほしいな。たぶん人が少なめでもさすがに私、電車やバスには乗れないと思うから」
「おまえなぁ、そんな大事なことを日にち迫ってから頼むなよ。こっちは予定調整する必要があるだろ?」
「ごめん。父さんが無理ならほかの叔父さんたちに頼むけど」
「調整するよ。万が一無理なら(まこと)にでも頼むことにしよう」
「ありがと」
「へえ。頼雅さんって、娘には超甘いんですね」
「超“優しい父親”だ」「はいそうですねっ」‘
「それで、俺は送迎役なだけで、店までついてかなくてもいいんだな?」
「たぶん大丈夫。界人が一緒だから」
「そうか」
「頼雅さん、俺、雅希を全力で護ります」
「護れるのか」
「俺の魂に誓って、全身全霊かけます!」