「でもさ、いっつもこんな感じだったら食べる時間が少なくなるよなぁ」
「少なくなるのは食べる時間だけじゃないでしょ」
「あ、そうだよな」「やっぱり界人くんは天然だ・・・」
「ところで俺、さっき2年のセンパイから妙なウワサ聞いたんだけど」「実は俺も」
「きた」「結局、あなた方がいてもいなくても同じでしたか」
「何、どゆこと?」
「忍たちが来るまで、私たちもその“ウワサ話”をしてたところ」
「ウワサの内容は十中八九同じかと思われます」「だよね」

私たちの周囲が一瞬、シーンとなった。
一瞬とはいえ、このメンバーで場がシーンとなったのは珍しいことだと言えるかもしれない。
その沈黙を破ったのは、ウワサに出てくる“登場人物”の、私自身だった。

「界人はウワサが気になる?」
「ウワサはホントじゃないって俺は分かってるから気にしてないよ。けど“全然気になってない”って言えば、ぶっちゃけそれはウソになるってところかな」
「そりゃそーだよなー。あることないことごちゃごちゃ混ざった話が独り歩きしながら拡散してくのが“ウワサ”ってもんだし」