「シナモンロール作るのに邪魔だから」
「はいはい」
「おおぉ、神谷雅希が脱いだーっ!」
「Tシャツ着てるじゃんか」
「でもあいつ、本気だ」「めぐりちゃんとは違った意味でね」
「あらあら。まだ乾杯していないのに、もう盛り上がってるわねえ。みんな元気なんだから。でも良いことね。今日はパーティーを楽しむことがメインの目的。シナモンロール作りはあくまでも脇役。だから今日、マサキちゃんに手伝ってほしいのは、生地を伸ばしてシナモンをふりかけて、形成するところまでね」
「はい。それがシナモンロール作りの中で、一番楽しいパートかも」
「そう言ってもらえて良かったわ。じゃあマサキちゃん、まずは乾杯しに行ってらっしゃい。みんな待ってるみたいだから」
「あ、はいっ。あの・・ユキオくんも行きましょう」
「そうだよ~!」「ユキオくんもパーティーの参加メンバーなんだから!」
「まあ。みんな、なんて心優しい子どもたち・・・!じゃあみんなの好意に甘えて、ワタシも乾杯させてちょうだい」
「悠希おじさまもぜひご一緒に!」
「俺は最初っからそのつもりだけど?」と悠希おじさんが堂々と言いきったことに、みんな爆笑した。

「はーい!みんな、うちに来てくれてどうもありがとう!今日のパーティーを機会に、慶葉学園高等部特進クラス1年のみんながもっと仲良くなることを確信して~。からの、かんぱーい!」

よるちゃんの音頭で、みんな一斉にグラスを掲げて「乾杯!」を合唱した。