さよならの続き

この前は気に留めなかったけど、家具の少ない部屋なのに、ベッドはダブルサイズの大きさがある。
ベッドの脚を見て気づいた。
これは私と付き合っていたころに『ふたりで寝るには狭いだろ』とシングルから買い替えたものだ。
だからだろうか。この弾力が妙に身体に馴染むのは。

見慣れない天井のシーリングライトに目をやりながら、陽太のことを思った。
もしちょうど航平に会わなかったとしても、私は陽太には頼れなかった。
この先に別れが見えているから、彼に頼ってはいけないと思った。
混乱した頭の中で『別れが見えている』なんて判断している時点で、私はもう、陽太と歩み寄ることを諦めているのだと気づく。
そもそも恋人である陽太ではなく上司のアパートへ足が向くなんて、裏切り以外の何ものでもない。

「最低…」

右腕で目を覆いながら、どこまでも堕ちていく自分を頭の中で罵った。