さよならの続き


「――野さん、星野さん」
「ん…」
「着いたよ」
「んー?」

不満から漏れた自分の声で目が覚め、ビクッと身体が揺れた。
首を傾げて私を覗き込む航平の姿が映る。

「あ、あのっ…」

パニックに陥りながら左右を見て、やっと状況がわかった。
見慣れたマンションがすぐ横にある。
私、眠ってしまったんだ…

「すみません。課長だって眠いのに、私ばっかり寝ちゃって」
「そんなのはいいよ。早く部屋に戻ってまた眠りな」
「はい。ありがとうございました」

早く戻れと言われたのに車を見送ろうとする私に、彼は苦笑いをしながらギアをいれた。
彼のアパートはここからすぐだ。
事故を起こしたりする心配はないだろう。
そう思いながらも心配で、遠ざかっていく車を最後まで見送った。