駐車場にもう車はなく、すぐに航平のセダンが目に入った。
失礼します、と呟きながらおずおずと乗り込む。
「今日は遅刻してきてもいいから、ちゃんと寝てから来て」
「大丈夫です。仕事に支障がきたしません」
「無理しなくていい。君は睡眠不足が顕著に身体に出るから。自覚はあるだろ?」
確かに、陽太に『よく寝るよな』と揶揄われるけど、航平にも昔同じことを言われていた。
「徹夜しているわけじゃないですし、多少寝不足でも大丈夫ですよ」
「素直に言うことを聞いてくれ。前も言ったけど、俺は仕事より君のほうが大事だ」
頭はうまく回っていないのに、心臓は正直に反応する。
「…そういうことを、平気で言わないでください」
「そうだな。でも…」
彼は自嘲するように少し言葉を切った。
「思ったことを言っただけだよ」
うまく返事が見つからず、沈黙がおりた。
東京タワーのオレンジはとっくに消えている。
高いビルの赤い光だけがポツポツと見えるのを眺めながら、揺れる車内で目を閉じた。
失礼します、と呟きながらおずおずと乗り込む。
「今日は遅刻してきてもいいから、ちゃんと寝てから来て」
「大丈夫です。仕事に支障がきたしません」
「無理しなくていい。君は睡眠不足が顕著に身体に出るから。自覚はあるだろ?」
確かに、陽太に『よく寝るよな』と揶揄われるけど、航平にも昔同じことを言われていた。
「徹夜しているわけじゃないですし、多少寝不足でも大丈夫ですよ」
「素直に言うことを聞いてくれ。前も言ったけど、俺は仕事より君のほうが大事だ」
頭はうまく回っていないのに、心臓は正直に反応する。
「…そういうことを、平気で言わないでください」
「そうだな。でも…」
彼は自嘲するように少し言葉を切った。
「思ったことを言っただけだよ」
うまく返事が見つからず、沈黙がおりた。
東京タワーのオレンジはとっくに消えている。
高いビルの赤い光だけがポツポツと見えるのを眺めながら、揺れる車内で目を閉じた。



