「このお惣菜、温める?」

空気を変えようと立ち上がろうとしたら、腕を引っ張られて陽太の胸に倒れ込んだ。
すぐに背中に手が回り、痛いくらいに抱きしめられる。

「陽太…?」
「男の多い部署だから、いちいち嫉妬してたらきりがない。だけど、課長が寝てる有梨に触ったと思うだけでムカつく」

語尾が荒くなり、腕を離されたと思ったらそのまま薄いラグの上に押し倒された。
私を跨いで見下ろす、射貫くような視線。
目をそらすことも言葉を発することができないまま、唇が重なった。
陽太は私の服を捲り上げて身体を探りだす。

彼の嫉妬に満ちた行為に応えることくらいしか、今の私にはできなかった。