さよならの続き

あらためて航平の背中に目をやる。
夢を見ているのかな。
いつかこうやって隣に眠っていた人が、またこんなふうに寝ているなんて。
頭痛のせいで幻覚を見ているんだろうか。
ぼんやり見ていたら不意に彼の息遣いが変わり、こちらに寝返りを打ってすっと目を開ける。

「あ、おはよう。二日酔いは大丈夫か?」

寝起きなのに、気怠さのない快活な声。
何の後ろ暗さも感じられず、どう考えても不自然なシチュエーションなのに、まるで日常の一コマのような雰囲気すらある。

「まだちょっと頭が痛いです」

あまりに航平が自然なので、こちらもするっと返事が出た。

「水を持ってくる。ちょっと待ってて」

航平は立ちあがって部屋を出て行く。
空いたシーツのスペースに彼の気配が残る。
今何が起きているんだろうとあらためて不思議に思った。