さよならの続き

「じゃあ、最後に西嶋新課長から一言」
「トリですよ!うまく決めてくださいね!」

課長補佐に突っつかれて苦笑いを浮かべている。
盛り上げるために航平の挨拶は最後に回されたんだろう。
周りも大きな拍手でプレッシャーをかけている。
立ち上がった航平は、えー、と何かを迷ったように小さく声を漏らした。

「名古屋にいた時、ホームシックみたいになっていました。東京に帰りたいと。だけど今は、帰って来なければよかったのかもしれないと思います」

言葉を切った航平。
そのまま少し間があり、周りに戸惑いの雰囲気が漂う。
すると急に口調が明るくなり、おどけるように話を続けた。

「いや、俺名古屋でもずっとMRだったから、いきなり課長なんて立場になってしまって、外回りがなくなってウズウズしてるんですよ。インフルエンザとかで誰か休んだら喜んで外回りしますので、よろしく」

笑いと拍手が飛んでホッとした。
空気が悪くなるようなことを言う人じゃないのはわかっている。
だけど、前半深刻な声色に聞こえて心配になってしまった。
身内じゃあるまいし、私が心配したって仕方ないのに。